京アニ新作における、吹奏楽モノのアニメ化雑観。
超久々のブログ更新。
最近は全然アウトプットできていなかったので、その反省もこめて、定期的に更新はかけていきたい、とまあ、また三日坊主になりそうな予感はありますが、それはさておき…
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『響け!ユーフォニアム』という原作をアニメ化、放送は2015年4月ということですが、吹奏楽を中学、高校とやってきた身としてはいろいろ思うところがありそうな感じですね。放送に先駆けて、ポイントとなりそうな部分を書かせていただきました。
・音楽モノとしての難しさ
吹奏楽経験者ならユーフォニアム(自分の学校ではユーフォニウムという言い方をしてました)がどういう楽器かピンと来ると思いますが、吹奏楽が身近でない方にはどういう楽器かも想像しづらいぐらい、なじみは薄いと思います。そうすると、演奏シーンなどで魅せる絵作りをするのはけっこうハードルが高いのではないでしょうか。
音楽モノといえば、京アニだともちろん『けいおん!』シリーズがすぐ頭に浮かびますし、クラシック系であればちょうど放映中の『四月は君の嘘』などもありますが、バンドや、ヴァイオリン、ピアノなどと比べると楽器自体がマイナーである点が相当なハンデだと思います。それをどう扱うのか、シリーズ演出という謎の役職に就いている山田尚子さんの腕の見せ所といったところでしょうか。
・演奏シーンを魅せる難しさ
上記とかぶる部分もありますが、楽器自体のなじみが薄いと、アニメでの演奏シーンの動きを直感的に視聴者に理解してもらうのが難しく、そのせいで動き”だけ”で魅せるのが難しいのではないかと予想しています。
これだけだと分かりにくいと思うので具体的に言うと、ヴァイオリンは弓と弦を押さえる動きと出てくる音が直接的に結びつきやすい。ギターも同様ですね。ピアノは指の動き=音の動きそのものになりますし、手の位置が左右に動く=音の高低をイメージしやすい。
それに対して、ユーフォニアムはどうか。
ユーフォニアムにはボタンを押す箇所が4カ所しかありません。他の金管楽器も3カ所、4カ所のものばかりです。例外はトロンボーンで、スライドを前後させて音の高低を変化させるので、この楽器は絵の動きから非常にイメージしやすいと思います。
木管楽器はボタンを押さえる箇所が多いので、動きからは少し音がイメージしやすいと思いますが、主人公が担当しているのは金管楽器なんですよね。しかも低音系のユーフォニアムですから、主人公がかっこいい旋律で目立つ展開になるのは難しそうです。
また、吹奏楽では全体で40〜50人を超える人数になってしまうので、作画カロリーも高そうです。その意味では、オーケストラを主題にしていた『のだめカンタービレ』のアニメが参考になるのではないでしょうか。ただ、微かな記憶をたどってみると、演奏シーンの作画はけっこう割り切っていたような印象があります。
・楽曲のなじみの薄さ
吹奏楽を扱うわけなので、ジャンルとしては、当然、音楽モノになるわけですが、もう1つ難しいと予想されるのが、楽曲のなじみも薄いという点です。
クラシック系であれば、「曲名は知らなくても曲自体は知っている」というパターンがわりとあるんですね。有名な曲はドラマや映画、CMなんかで使われやすいですから、曲自体はなんとなく知っているケースが多い。なじみのあるフレーズが聞こえるだけでも関心を引きやすいわけです。
『けいおん!』シリーズでは、有名曲のカバーは数えるほど(翼をくださいぐらい?)でしたが、バンドがメインということなので、制作側で楽曲を作ってしまうという手段が取れるわけです。
果たして、吹奏楽モノではどうでしょうか。
オーケストラの吹奏楽版を除けば、純粋に吹奏楽の楽曲で一般層に認知されているような曲はほとんどないのではないでしょうか。吹奏楽経験者にはよく知られているであろうアルフレッド・リードなどもほとんど知られていないと思います。アルメニアン・ダンスとかすごく好きなんですが(最終楽章にはユーフォニアムの見せ場もあり)、誰やねんそれ状態になりそうなんですよね。
じゃあ、自分たちで用意できるかと言われれば、編成が大きいこともあって、ポンポンと何曲も用意するのは相当な労力になります。現実的に考えてその辺りも厳しそうです。
思いつくままに挙げてみましたが、今まで吹奏楽モノのアニメがなかったのはそもそもハードルが高かったというのも要因としてあるのかなと思います。
果たして、その問いにはどういった答えを京アニが用意してくれるのか、そういったところにも注目したいです。
p.s
PVの楽曲を聞く限りだと、ジャズっぽい方向にしようとしてますね。うーん、それは吹奏楽らしくはないんだよなぁ。
勝手に宣伝。羽海野さんのブログ。
先を越されたのでこちらも対抗して記事にしてみました。
『響け!ユーフォニアム』アニメ化に見る京都アニメーションと吹奏楽についての雑記 - 津々浦々日々上々